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ゴリモチオのチオ

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『現代社会論 社会学で探る私たちの生き方』/本田由紀 編

 そして、環境にではなく、個人の側に責任が帰属されるとき、そこでしばしば「能力」という概念が用いられる―――今あなたが苦しいのは、あなたが適切な「能力」をもっていないからであり社会のせいにするな、というように。
 つまり、「能力」という概念は、責任をめぐる問題解決の方法の1つであるといえる。しかし、それはあくまで方法の1つでしかない。なぜなら、責任を個人に帰属できるとき、同時にそれは環境にも帰属しうるからだ。因果連鎖がさまざまに延長・細分化できるように、責任の宛先は、個人と環境という2つが常にセットで私たちに用意されており、それらは責任の所在を確定するという意味では同じ機能を持つ。そのどちらを選ぶのかは、社会のあり方や個人の決定に委ねられているのである。
『現代社会論』Chapter2 「能力」より (太字は筆者による)

俺が社会学で学んだ最も重要な考え方はこれだ。
これに尽きる。

科学をやっていると、どうしても還元論に陥りやすい。
コントロール可能なものを科学とするからだ。
人の心はそう簡単ではない。
人の心など、コントロールできないからだ。

ちなみに本書は、俺が大学院時代の授業で使用していた教科書だ。
非常に文章が明解で、具体例が多く取り扱われており読みやすい。
むしろ、社会学は思想と結びつきやすい部分があり厄介な読み物が多いので、いきなり社会学の名著を読むのはよほどの気合いがないと読解に失敗する。
そもそも、社会学の本というのはたったひとりで読むものではなく、その本を題材に多くの議論をしていくのが良いものだと思いはするが。

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